外壁の小さなひび割れ、一見すると些細な問題に見えるヘアクラックには、実は建物にとって重大なリスクが潜んでいます。
ヘアクラックという名前を聞いたことがあっても、実際にどのようなリスクがあるのかご存知の方は少ないでしょう。
そこで本記事では、ヘアクラックの基礎知識や、トラブルを避けるための対策方法をご紹介します。
目次
□ヘアクラックの知っておきたい基本知識とは?
*ヘアクラックの基本
ヘアクラックは、建物の外壁に生じる非常に細かいひび割れを指します。
国土交通省の基準では、幅が0.3mm以下、深さが4mm以下であるとされており、主にモルタルやコンクリート、サイディングといった外壁材に見られます。
ヘアクラックはその細さから「髪の毛のようなひび割れ」という意味を持ち、見た目にも影響するため、早期の発見と対応が重要です。
*ヘアクラックがもたらす2つのリスク
1:構造部分への影響
ヘアクラックを放置すると、外壁を通じて浸入した雨水が建物の構造部分に到達し、木造建築物では木材の腐食やシロアリの発生の引き金となってしまいます。
鉄筋コンクリート建築では鉄部の腐食やコンクリートの中性化を進行させ、最終的には建物の寿命を大きく縮める結果を招きます。
2:修復費用の増加
ヘアクラックを放置することで、将来的に必要となる修復作業の規模が大きくなり、それに伴い費用も増加します。
初期段階での適切な対応によって、より経済的なメンテナンスが可能です。
□ヘアクラックの原因と対策
ヘアクラックの発生にはさまざまな原因がありますが、最も一般的なのは建物の経年劣化です。
外壁は日々、厳しい環境下にさらされ続けており、特に紫外線や雨水は大きなダメージを与えます。
紫外線や雨水などの外的要因によるダメージが、外壁材の膨張や収縮を引き起こし、最終的にひび割れに至ります。
また、建設時の材料の品質や施工の精度も、ヘアクラックの発生に影響を及ぼすことがあります。
*効果的な対策方法2選!
1:定期的な外壁塗装
外壁を適切な塗膜で保護することで、紫外線や雨水からの直接的なダメージを防ぎ、ヘアクラックの発生を最小限に抑えられます。
また、すでに発生しているヘアクラックがある場合には、それを適切に修復した上で塗装を行うことが重要です。
2:外壁の定期的な点検
外壁の状態を定期的にチェックし、初期の段階でヘアクラックを発見することで、より小規模な修復で済ませられるようにしましょう。
特に、季節の変わり目や激しい気象条件の後は、外壁に新たなダメージが生じていないかを確認することがおすすめです。
□まとめ
ヘアクラックは小さなひび割れですが、建物の構造的な健全性に影響を与える潜在的なリスクが隠れている可能性があるため、見逃さないことが大切です。
経年劣化によるヘアクラックの発生は、定期的なメンテナンスと早期の対応策によって、建物を長期間健康な状態で保てます。
定期的なメンテナンスを行い、住宅を守りましょう。